核心概念
量子相対エントロピーと多変量量子レーニ発散を系統的に定義する新しい方法を提案する。特に、既知の量子相対エントロピーから単一のパラメータ付き族を構成し、それから重心レーニ発散を定義する。これらの量子情報量は単調性や加法性などの良好な性質を持つ。
摘要
本論文では、量子相対エントロピーと多変量量子レーニ発散を系統的に定義する新しい方法を提案している。
まず、古典的相対エントロピーの量子拡張である量子相対エントロピーについて考察する。これまでは、Umegaki相対エントロピーとBelavkin-Staszewski相対エントロピーの2つしか知られていなかったが、ここでは、Kubo-Ando加重幾何平均を用いて、既知の量子相対エントロピーから新しい単一パラメータ付き族を構成する方法を示す。この新しい量子相対エントロピー族は、Umegaki相対エントロピーとBelavkin-Staszewski相対エントロピーの間を補間するものである。
次に、任意の有限集合の量子相対エントロピーと重みから、対応する多変量量子レーニ発散を定義する一般的な方法を提案する。この定義は、古典的な変分公式の一般化に基づいている。得られた量子レーニ発散は、生成する量子相対エントロピーの性質を継承する。特に、単調な量子相対エントロピーは、重みが確率分布のときに単調な量子レーニ発散を定義する。
さらに、2変量の場合、この重心レーニ発散は、log-Euclid型レーニ発散と最大レーニ発散の間に位置づけられることを示す。つまり、これまで研究されてきた量子レーニ発散とは異なる新しい発散となる。
统计
量子相対エントロピーは、Umegaki相対エントロピーとBelavkin-Staszewski相対エントロピーの間を補間する単一パラメータ付き族として定義できる。
任意の有限集合の量子相対エントロピーと重みから、対応する多変量量子レーニ発散を定義できる。
2変量の重心レーニ発散は、log-Euclid型レーニ発散と最大レーニ発散の間に位置づけられる。
引用
"Interestingly, despite its central importance in information theory, only two additive and monotone quantum extensions of the classical relative entropy have been known so far, the Umegaki and the Belavkin-Staszewski relative entropies, which are the minimal and the maximal ones, respectively, with these properties."
"We use a generalization of a classical variational formula to define multi-variate quantum Rényi quantities corresponding to any finite set of quantum relative entropies (Dqx)x∈X and real weights (P(x))x∈X summing to 1, as Qb,q
P ((ϱx)x∈X ) := sup
τ≥0 (Tr τ − Σx P(x)Dqx(τ∥ϱx))."
"We show that if both Dq0 and Dq1 are lower semi-continuous, monotone, and additive quantum relative entropies, and at least one of them is strictly larger than the Umegaki relative entropy then the resulting barycentric Rényi divergences are strictly between the log-Euclidean and the maximal Rényi divergences, and hence they are different from any previously studied quantum Rényi divergence."