核心概念
IEEE 802.11bf プロトコルの性能を様々な設定で評価し、Wi-Fi センシングがデータ通信に与える影響を定量的に明らかにする。
摘要
本研究は、IEEE 802.11bf プロトコルの性能を初めて包括的にシミュレーションで評価したものである。
主な知見は以下の通り:
- EDCAアクセスではセンシングの欠落が発生するため、PIFSアクセスを使うべきである。
- センシング可用期間(SAW)は最大値の127を使うのが良い。短い期間では欠落が発生する。
- センシング負荷が高い場合(アプリ数16、アンテナ数8x2)でも、センシングオーバーヘッドは5%程度、スループットの低下は5%程度に抑えられる。
- アクセス方式やSTA数の変化点では性能が急変する可能性があるため注意が必要。
これらの結果は、IEEE 802.11bf ネットワークの実用的な設定に役立つ知見を提供する。
統計資料
センシング情報のバイト数は以下の式で計算される:
CSIサイズ = ⌈1.5 × Ntx × Nrx⌉+ Ntx × Nrx × Nb × Nsc / 4 + 2 × Nrx
ここで、
Ntx: 送信アンテナ数
Nrx: 受信アンテナ数
Nb: CSI値の量子化ビット数
Nsc: 報告されるサブキャリア数