核心概念
CNNのリプシッツ定数を効率的に推定する新しい手法を提案する。大規模なCNNに対しても計算コストを抑えつつ、既存手法と同等の精度を達成できる。
摘要
本論文では、CNNのリプシッツ定数を効率的に推定する新しい手法「Dynamic Convolutional Partition (DCP)」を提案している。
まず、CNNの畳み込みブロックを小さなブロックに分割することで、各ブロックのリプシッツ定数を並列に計算できるようにする。これにより、大規模なCNNに対しても計算コストを抑えられる。
具体的には以下の手順で行う:
- CNNの畳み込みブロックを層方向と幅方向に分割する。
- 分割された小さなブロックのリプシッツ定数の上界を用いて、元の畳み込みブロックのリプシッツ定数の上界を導出する。
- 分割の仕方を最適化することで、精度とスケーラビリティのトレードオフを調整する。
実験では、既存手法と比べて同等の精度を保ちつつ、大幅な計算時間の短縮を実現できることを示している。特に、層数と幅の大きなCNNに対して有効であることが確認された。
統計資料
CNNの入力サイズが10×10×1、畳み込み層が7層の場合、チャンネル数cを1から14まで変化させたときの結果は以下の通りです。
チャンネル数c=1のときのリプシッツ定数の上界は91.31
チャンネル数c=14のときのリプシッツ定数の上界は65.84