Centrala begrepp
ソフトロボットシステムの適応性と多様性を高めるために、コンプライアントで固有感覚を持つアクチュエータの需要が高まっている。ハイドロリカリー・アンプリファイド・セルフ・ヒーリング・エレクトロスタティック(HASEL)アクチュエータは、その固有の柔軟性と可撓性から有望な候補である。本研究では、HASELアクチュエータの容量性自己センシング機能を拡張し、高周波駆動下での正確な変位推定を可能にする新しいF-HASELアクチュエータを提案する。さらに、複数のF-HASELアクチュエータの変位を準同時に推定できる小型の回路設計を示し、仮想現実(VR)アプリケーションでの関節角度追跡に応用する。
Sammanfattning
本研究では、HASELアクチュエータの変位推定のために、従来のPeano-HASELアクチュエータとは異なる新しいF-HASELアクチュエータを提案している。F-HASELアクチュエータは、アクチュエーション用の高電圧(HV)電極と、変位検出用の低電圧(LV)電極を分離した構造を持つ。
変位推定には2つの手法を提案している。
- 電圧法: LV電極間の電圧変化から直接変位を推定する手法
- インピーダンス法: LV電極の電圧と電流から複素インピーダンスの変化を計算し、変位を推定する手法
これらの手法により、従来の方法と比べて高周波駆動(最大20 Hz)時の変位推定精度が大幅に向上した。特に、電圧法は1 Hz以下の低周波域で、インピーダンス法は10 Hz以上の高周波域で優れた性能を示した。
さらに、複数のF-HASELアクチュエータの変位を準同時に推定できる小型の回路設計を提案した。この回路を用いて、仮想現実(VR)アプリケーションでユーザーの膝関節と股関節の角度を実時間で追跡することに成功した。
以上より、提案手法は低コストで小型化が可能な、ポータブルかつアンテザードなソフトロボットシステムの実現に貢献すると期待される。
Statistik
駆動電圧4.8 kVにおける電圧(VK)の実効値は618.6 mV、電圧(VC)の実効値は1.382 Vであった。
一方、提案手法の電圧(VH)の実効値は37.19 mVと大幅に低減された。
Citat
"ソフトロボットシステムの適応性と多様性を高めるために、コンプライアントで固有感覚を持つアクチュエータの需要が高まっている。"
"提案手法は低コストで小型化が可能な、ポータブルかつアンテザードなソフトロボットシステムの実現に貢献すると期待される。"